世界文化遺産富士山ヴィジョン
ヴィジョンでは、地域社会が世界遺産の保存・活用に参画することを通じて、資産を「ひとつの存在(an entity)」及び「ひとつ(一体)の文化的景観(a cultural landscape)」として管理する方法・体系を運営可能な状態にするための方向性を示しました。
目的
- 25の構成資産から成る世界遺産富士山を「ひとつの存在(an entity)」及び「ひとつ(一体)の文化的景観(a cultural landscape)」として管理する。
- 地域社会全体が保存・活用に積極的に参画・貢献することを通じて、管理の方法・体系を運営可能な状態とする。
概要
- 「ひとつの存在(an entity)」としての管理
25の構成資産を「ひとつの存在(an entity)」として捉え、『信仰の対象』と『芸術の源泉』の両面から構成資産相互のつながりを明確化するとともに、2つの展望地点(本栖湖北西岸の中ノ倉峠/三保松原)から富士山に対する良好な展望景観を維持するなど、一体的な管理を実施する。
- 「ひとつ(一体)の文化的景観(a cultural landscape)」としての管理
地域社会の生活・生業や観光・レクリエーションに対する社会的要請と、顕著な普遍的価値の側面を成す「神聖さ」・「美しさ」の維持とを融合させ、構成資産のみならず緩衝地帯も含めた全体を「ひとつの文化的景観(a cultural landscape)」として捉える観点から、両者間の相反する課題を調和的に解決する。
- 地域社会(コミュニティ)の役割
- 顕著な普遍的価値を理解し、世界文化遺産の意義・重みを深く認識する。
- 不断の議論・実践・点検を実施する。
- 相互の役割を明確に認識し、富士山の保存・活用に効果的に参画・貢献する。
- 来訪者・登山者に対して広く情報提供を行い、適切な保存・活用に対する意識の醸成に努める。