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更新日:2017年3月16日

第37回世界遺産委員会からの我が国への勧告及び要請事項

勧告事項

以下の点につき、資産をひとつの存在(an entity)として、またひとつ(一体)の文化的景観(a cultural landscape)として、管理するための管理システムを実施可能な状態にするよう勧告する。

  • a)アクセスや行楽の提供と神聖さ・美しさという特質の維持という相反する要請に関連して、資産の全体構想(ヴィジョン)を定めること
  • b)神社・御師住宅及びそれらと上方の登山道との関係に関して、山麓の巡礼路の経路を描き出(特定)し、(それらの経路が)どのように認識、理解されるかを検討すること
  • c)上方の登山道の収容力を研究し、その成果に基づき来訪者管理戦略を策定すること
  • d)上方の登山道及びそれらに関係する山小屋、トラクター道のための総合的な保全手法を定めること
  • e)来訪者施設(ビジターセンター)の整備及び個々の資産における説明の指針として、情報提供を行うために、構成資産のひとつひとつが資産全体の一部として、山の上方及び下方(山麓)における巡礼路全体の一部として、認知・理解され得るかについて知らせるための情報提供戦略を策定すること
  • f)景観の神聖さ及び美しさの各側面を反映するために、経過観察指標を強化すること

要請事項

2016年(平成28年)の第40回世界遺産委員会において審査できるように、締約国に対して2016年(平成28年)2月1日までに世界遺産センターに保全状況報告書を提出するよう要請する。報告書では、ひとつの文化的景観の手法を反映した資産の全体構想(ヴィジョン)、来訪者管理戦略、登山道の保全手法、情報提供戦略、危機管理戦略の進展状況を示すとともに、管理計画の全面的な改定を示す。これらの手法に関してイコモスに助言を求めるよう締約国に推奨する。